beige book(April 15, 2009)

ベイジュブック要約


Reports from the Federal Reserve Banks indicate thatoverall economic activity contracted further or remained weak. However, five of the twelve Districts noted a moderation in the pace of decline, and several saw signs that activity in some sectors was stabilizing at a low level.

米経済活動は更に収縮、依然弱いが住宅、消費に薄日が見える。

ニューヨーク市場


今日のニューヨーク市場では、米債市場と株式市場がドルの趨勢を決めそうだ。米10年債は5.0%台の大台で推移している。各国中銀による引き締めムードは、リスク資産への選別を強め、株価は軟調に。米金利上昇によりドルは買われ、リスク回避の流れはキャリートレード解消と繋がり円高となっている。ユーロ円の動きが端的にそれを物語っている。

オプション市場では、前述のスポット市場の影響により、ボラティリティが徐々に上昇。リスクリバーサルも円コールの需要が高まっており、円高への警戒感を窺い知ることが出来る。







個人リアルマネー系

日銀は、金融政策を全員一致で現状維持とした。この後、福井総裁の記者会見が行われる。

再利上げの議論を別にして、一体呆れるくらい続く円キャリートレード(定義にはいくつあるのだが、ヘッジファンド云々よりも個人投資家の影響力の方が大)がいつまで続くのか、根拠ある熱狂なのか疑問符が付く。

昨日は、スイス中銀が政策金利を引き上げた。スイスフランもよくキャリートレードとして使われる通貨であることが指摘される。

日銀は、まさか引き締めによって、円発の過剰流動性の引き締め⇒世界的な資金の停滞⇒株安といった非難を恐れている訳でもあるまい。

本日の総裁の会見では、キャリートレードを注視しているといった発言が聞こえてくると思う。だが、虚しく聞こえるであろう。

NZ中銀の苦悩(3)

NZ中銀は、月曜日にNZドル売り・米ドル買いを介入した。市場では、介入額は5億NZドルから10億NZドル程度と言われている。さて、10日に当ブログにおいて、NZ中銀の苦悩と題し同国の金融政策の難しさを指摘しようと思ったのであるが、日曜日であったことから遊びに出てしまって、肝心なことを書きそびれてしまいました。続きを書きます。

NZ中銀は、同国内の国内消費需要の強さや堅調な住宅市場、強い労働市場、増大する政府支出などに伴うインフレ圧力に対抗するため、政策金利を引き上げてきた。ボラードNZ中銀総裁は、「経済資源が限界まで使用されており、企業が労働市場で人材を探すのに困難になってきている」と述べ、強い景気過熱感に警戒感を表明している。

その結果、悪性の副作用としてNZドル高を招き、ニュージーランドの輸出企業の競争力を損ねる結果を招いている。最新の同国の企業信頼感指数は-48.2に急低下しており、NZドル高が経済全般に悪影響を与えていることが分かる。また、OECDがNZの今年度の経済成長予測を上方修正しているが、来年度のそれを下方修正している通り、来年度に向けてそろそろピークを迎えそうだ。ただし、住宅市場は以前強気でバブルの様相を維持しているため、第3四半期に再利上げの可能性が市場で指摘されている。

NZ中銀の苦悩(2)

ボラードNZ中銀総裁は経済成長より、国内のインフレ圧力に苦慮しているようだ。今回の利上げを「インフレターゲットに沿うよう中期的には1%-3%のバンドに収まるための措置」と述べ、今後のインフレ指標次第で再利上げの可能性を示唆している。

当ブログの表題であるように、今回の利上げでNZ中銀からすると「NZドル高はファンダメンタルズを反映していない異常なもの」であるにも拘らず、利上げに踏み切らざるをえなかった。驚きを持って迎えられた利上げによって、NZドル/米ドルは先週に0.86ドル前半まで上昇。今週月曜日にNZドル売り介入によって、0.84ドル台後半まで押し下げた。政策的には矛盾があるのは明らかだ。利上げは単純にその高金利を求めて、NZドル買いを誘うだけだ。中銀にとっては利上げと介入は苦悩である。矛盾しているからだ。さらに同国では、本邦投資家向けに債券さえ発行している。しかし、米利下げ観測の後退や昨日の米10年債の入札が不調に終わり、10年債は5.2%台で取引されるなど世界的にインフレの季節が訪れていることはNZ中銀には幸運なことかもしれない。

昨日、NZ中銀はNZドル/米ドルの0.8530ドル付近でレートチェックをしたと噂されている。現時点で0.84ドル台後半で取引されている。市場では、再介入があるかないか議論されている。筆者の意見は再介入はあるである。再介入なしの意見には、NZ中銀の介入のメッセージが機関投資家やファンドなどのプロには届くかもしれないが、高金利だけをもってしてNZドル買いに向かう本邦個人投資には届かないとするものもある。しかも、6月はボーナス時期で投信などを通して、邦人の膨大なマネーがNZドル/円を下支えする可能性は高い。そうは言っても、米ドルの市場金利が上昇している以上、NZドル/米ドルは下方に自立反転する可能性が高く、それを狙ってNZドルの反発上昇局面では上値を押さえるため、中銀は何らかのオペレーションに出ると思われる。また、世界的なインフレの季節は円キャリートレードの狂乱を醒ます方向に作用すると考える。

為替操作国

ドル円は、投信の設定による本邦メガの外貨買いで122円台前半に上昇。また、ウオールストリートジャーナルは、ブッシュ政権が中国を為替操作国として見做していないと報じたことやミンスキンFRB理事がコアインフレが2%以下に低下することはFEDの努力が必要と述べたことでドル買いに繋がっている。ドル円は、122.50円レベルにストップの買いがありそうである。NZドル/米ドルは0.7510-20ドルレベルで当局のオペの話もあるが、信憑性は低いであろう。0.7465ドルレベルにストップセルオーダーがありそうだ。

ベージュブック

発表された米ベージュブックでは、12の地区連銀が総じて4月中旬から5月にかけて経済活動の拡大を報告している。個人消費や小売売り上げも堅調、製造業も上向きとしている。住宅建設部門や住宅販売関連には引き続き弱さが見られる。しかし、商業用などの法人向けオフィス、工場需要を増加していると指摘。人材の採用活動は活発であるものの、賃金上昇圧力は増加している兆しはない。物価上昇圧力増大の兆しは特に見られないとしている。
ベージュブック本文
タカ派的と受け取られたベージュブックでドルは買いが先行、クロス円は、欧州市場でWSJの中国元の記事を織り込んだ円売りがNY市場でも継続され、強含みとなった。
米5月小売売上高を好感し、米株価は上昇、米長期金利は上昇して始まったものの、テクニカル要因や株価に逆相関して、前日比低下した。
米利回り曲線(画面中ほどを参照)

NZ中銀の苦悩(1)

先週木曜日、ニュージーランド中央銀行は、今年度に入って3度目の利上げを敢行し、同国の政策金利は7.75%から8.00%に変更された。市場関係者のみならず一般市民にも驚きを持って迎えられた訳である。サプライズ的な政策金利引き上げは、株価指数のNZX-50を1.2%下落させ、NZドルは0.76ドルまで上昇と変動相場制を導入以来の最高値圏で推移。NZ中銀は、1%-3%のインフレ率を政策目標としている。

英中銀、金利据え置き

英中銀の政策金利決定に関して、投票権を持つ委員はキング総裁を含めて9人いる訳だが、市場ではタカ派と考えられているべズレー、センタンスの委員が0.25%の金利引き上げを求めたと推測されている。しかし、その他の委員は金利引き上げに慎重な姿勢をとったと考えられている。

ポンドのプライスアクションは、ややポンド売り優勢となっているが、各国中銀の外貨準備に纏わるポンド志向がポンドを中長期的に下支えする構造に変化はなさそうだ。
目先、世界的に株価が反発していることから円キャリーも強まることが予想される。

英中銀は、政策金利を現行の5.5%に据え置くことを決定した。その理由と先行き、各委員の投票行動は20日のminitesの公表を待たなければならない。

risk aversion

After global interest rates generated investor's sentiments to reduce money from risky assets, US treasury note was up to 5.20% surprisingly , market favoured the dollar for that reason. And also risk reduction movements caused carry trade to trash. In fact US investment house had recommended exiting the carry trade last two days, I just heard.

But price action seems to me that carry funding Yen, Swiss was back and for next week gonna be strengthened, I suppose . So I favor to hold euro/yen, euro/swiss longs.

米国債券市場


米債は、売りの優勢の流れが継続。米10年債が一時5.25%まで利回りが上昇した後、シカゴ金利先物市場で債券買いが過熱したため、現物にも押し目買いが入り5.10%付近まで利回りは低下した。また、ファニーメイなどの住宅金融が発行する債券でも売りが強まり、ヘッジのため米債に買いが入ったのも米債の金利下落に寄与したようだ。2008年度中にFRBは利下げをしないと言う見方とニュージーランドのサプライズ的な利上げが世界的なインフレの季節を喚起し、米債は売りが優勢となってきた。グリーンスパン前議長が謎だと言った10年債市場の好調ぶりも外準を含む外国人投資家離れにより、今般は低迷となっている。しかし、2年債とのスプレッドは拡大しつつあり、利回り曲線としては健全となりつつあると言えよう。しかし、ボラティリィティは高めに推移しているので、来週以降も米債市場から目を離せない。

昨日のニューヨークダウは、やや安値で寄り付いた後、ボリンジャーバンドの日足の下限で反発。結局、-σを上抜けして取引を終了している。今まで、高値圏の取引が続いていただけに、大幅な調整となってしまったようだ。バンドもそろそろ下向きとなっているためが、バンドの幅自体に拡がりが見られないため、穏やかな調整の売りが今後も継続されよう。


Bank of England(2)


英中銀の政策金利決定に関して、投票権を持つ委員はキング総裁を含めて9人いる訳だが、市場ではタカ派と考えられているべズレー、センタンスの委員が0.25%の金利引き上げを求めたと推測されている。しかし、その他の委員は金利引き上げに慎重な姿勢をとったと考えられている。

ポンドのプライスアクションは、ややポンド売り優勢となっているが、各国中銀の外貨準備に纏わるポンド志向がポンドを中長期的に下支えする構造に変化はなさそうだ。
目先、世界的に株価が反発していることから円キャリーも強まることが予想される。





Bank of England(1)

mpcが25bpの利上げをした。昨日のインフレレポートを読んでみると、コアインフレ率は短期的に上振れする可能性を示唆しているものの、中期的にはインフレ目標の2%の上限に収束するとしている。若干、インフレ警戒を緩めたようだが、どうであろう。M4は、依然高い伸びを示しているし、マネーの伸びは高い。 もう少し、レポートを読み込んでみることにしよう。 

this morning

米国のスタグフレーション懸念は一応遠いた感があるが、依然年金基金はCTAを通してコモデティー市場に流れ、原油高、ガソリン高に繋がっている。
しかし、米国の個人消費にしても、住宅をレバレッジの源泉とした消費自体は減っているものの、金利引き締め局面にも拘らず、強気のままであることには変わりない。
日本に目を転じてると企業は、労働力確保に懸命になっており、労働力市場の人材需給ギャップが拡がりつつあるなか、労働コストの価格転嫁が先か賃金引上げが先か企業間により対応はさまざまだ。いずれにしても慣れてきたデフレ経済へのスキーム対応を早急に見直す必要に迫れている。最終需要である個人消費が強くなる余地が加速するようであれば、日銀は数度の引き締めを遂行する必要に迫られるであろう。
先進各国は資源高と循環面からのリフレ、スタグフレーションの難しい局面に立っていると思うが、上手な政策運営を行っていると思う。
為替は、ヴォラティリティーが高くなくよくみると平均回帰性?が高い流れが続いている。中国は国内のインフレ抑制を通貨人民元を強くすることによって、外交政策上米国と融和できると判断したのか、通貨切り上げによって、米ドル・円はロングのストップを巻き込む形で114円での取引が続いている。

数理ファイナンス

数理ファイナンスという分野がある。日本人が外国人に後塵をはいしているといわれている分野であり、本邦金融機関が外資系金融機関に競争力で劣っている理由の1つに挙げられている。大切な資本を授かる金融機関がそうであってはいけない。また、金利のオプション、金利の期間構造モデルなどは現代金融の華であり、これからも伸びていく分野である。

ご承知の通り、日本人の数学力は高い。例を挙げると、数学分野の最高峰フィールズ賞では過去4人の数学者がその名誉を授かっている。高木、岡という大数学者も明治、大正、昭和に活躍した。一時話題となったフェルマーの最終定理という数学の謎も志村・谷村予想を肯定する形で証明できたそうだ。ご承知な方も多いと思われるが、金融工学の基礎的なモデルではこれまた大数学者の伊藤が発見した確率微分方程式が応用されている。

物理だって負けてはしない。湯川、朝永は理論物理の最高峰に立っている。近い将来、小林・益川理論がノーベル賞の候補だそう。

閑話休題。私自身は文系出身で、数学、物理などからほど遠い存在である。
然るに金融が工学化するならば、文科系とかに関係なく流れについていかなければならない。

9月11日選挙後

a)郵政民営化法案可決の場合
円高、急激な債券安、急激な株高
b)小泉政権消滅の場合
穏やかな円安、穏やかな債券安、穏やかな株高、高止まり

所謂レポートと言うものの感想

一見すると実直に見える為替レポートがあちらこちらに出回っているが、やはり実務(インターバンク)の経験の有無が見え隠れし、実務家からするとどうしても付言したくなる。

WTIが60ドルを越えると外準がらみのオイルマネーは米ドルからユーロにシフトすると言う傾向があり、実際に今般もその傾向が明らかとなった。ここまではいいが、オイルマネーが大量のユーロ買い・ドル売りをする際、当然誰かがプライスを提示している。
インターバンクの一員である大手銀行や投資銀行は普段(不断)の取引先である中東系の顧客に金融サービスの一環として、外貨の情報提供、実際の取引を仲介している。優良な金融機関であれば顧客と絶えず情報交換し、顧客の動向を把握するよう努めなければならない。

為替の実際の取引では、例えば、顧客がユーロ・ドル500本の建値を提示要求してきた場合、ディラーは1.2230-40のようにプライスを提示する。顧客が買ってきた場合は、当該ディラーは当然瞬間的にユーロ売り持ちとなるから、金額の大きさ、顧客の市場に対する影響力を考慮し、売り持ちを解消しつつ買い持ちに転換するため、最低でも501本以上のユーロ買いをat bestで行うだろう。その後は瞬間的なユーロ買いの連鎖が次々と起こり、あっと言う間にユーロ・ドルは1.23を越えて上昇してしまう。最初にプライスを提示したディラーは影響力の高いオイルマネーがドルを売っている事実を取引しリスクをとることで情報優位に立てる。ついでに他の通貨にもドル売りを持ち込んで、最初に仕掛ける優位さを保つ抜け目なさも忘れない。

すべてがこう言った調子で進むわけではないが、為替レポートはなにも経済指標に反応して上がった下がった言う説明に終始する必要はないし、それではいかにも外部で反応していると言う感想しかもてない。実際に起こっていることを把握することが重要だ。

ユーロ・ドルが主役

昨日は中東やアジア系によるユーロ・ドル一本釣りによって、ユーロ・ドルは1.2260を上抜けして1.2350手前まで上昇したものの、オプション防戦が予想通り効き、上昇を妨げた。

ユーロの動きに端を発した米ドル売りは他通貨にも波及し米ドル全面安の展開。ドル・円も111.00を一時付けた模様であるが、輸入の買いに出合って反発。郵政民営化法案の採決を巡って、円のボラティリィティーが上昇している中、日本経済の見通しも外国人が先行して強気に転じており、元高も円買いを後押し。頗るよい(そう見える)米経済指標を嘲笑うように米ドルが売られたと総括しておく。

本日もやはりユーロ・ドルが主役か。1.2350を抜けるようだと1.25が見えてくるが、短期的な調整から1.2260-70まで降りてくるか。

ドル・円は参院選の投票行動を推測しながらも、ユーロに主役を譲ったかたちで1.235を試す展開が再度あれば、111円割れ、110.50円トライも想定できるが資本の買いが下値を支えそうだ。そうなるとユーロ・円の買いに利があるかもしれない。今夜英中銀により政策金利が発表されるが、0.25%の利下げは織り込み済みか。据え置いた場合は欧州通貨にショックを与えるか。ユーロは1.2424。

外国人が日経買い、国債売り

昨日は17通貨中、円が一番買われた。
外国人が日経買い、国債売りを持ち込んだことが挙げられる。米株価の上昇に一応の目処が立ったことで、出遅れ感の強い日本株の投資比率を上げたことなどが円高の要因か。日本の政治状況よく研究していない外国人投資家も多く、政治的リスクを忌避する傾向を強い彼らにも、郵政民営化法案は無事に参議院を通過するとの推測から円を買いやすい状況ではあるようだ。
円のボラティリィティは上昇しているのは、不透明感が強まっているの点が挙げられるが、よく事情を飲み込んでいない彼らのような参加者が増えることを要因となっている。

イースタンネーム

中東が買っているといないとかで、ユーロ・ドル1.23台へ、ユーロ・円も予想とおり137円台へ上昇中。ユーロ・ドルの1.2260、1.2300のオプションバリアがエクスパイヤーと言うことでストップロス合戦の模様。次は1.2350か。しかし、雇用統計前によくやるもんだ。夏は暑いが市場もボラティリィティが高く薄いマーケット。

米30年債,復活



ロシア中央銀行

為替とは面白いもので、先ほどロイター通信社がロシア中央銀行は外貨準備に対するユーロ比率を30%から35%へ切り上げるなどの報道をしたものだから、とてもいい米ISMの結果を無視するようにドルが売られたが、(言い方を変えると1.2250越えを狙った動き)既に1.2000ドル前後で大量のユーロ買いを手当てをしていたと過去形であった事を思い出し、一転ドルは買われたりと忙しい。

滞留しているマネー

日本国の滞留しているマネーが動き始めた。円が買われている。
福井日本銀行総裁は個人消費者物価指数が今年度末にも水面下から浮上する可能性を指摘した。足元では金余り状態が続き、日本国債に向かっていた資本がそろそろ本格的に市中に流れ出すか次のテーマだ。

経済指標が多すぎ

昨週の金曜日ニューヨーク午後からドル売りが進行している。
主たる理由はIMFが書いた昨今の米ドルは実力以上に評価されているとのレポートが出回ったため。

米ドルの真の実力はどのレベルにあるかは置いておくとしても、米GDPの結果を巡る日経新聞の指摘通り、米経済の内需主導による力強さはこれからと言っていいと思う。米製造業の在庫調整にも目処が付きつつあり、春先に見られた米経済の一時的後退によるFRBの利上げ停止の怖れは払拭されつつある。
本日発表される米ISM製造業景況指数の結果に一喜一憂される可能性があるが、ご承知の通り、外国為替の世界では経済指標が多すぎ、しかも24時間取引されている。

私なんぞは生身の人間なので、すべてを網羅しようにも体がもたない。直近のドル下落現象は持ち高調整の範疇にすぎないと思われるが、それじゃー説明として物足りない。
ユーロ・ドルに関して言えば、1.1950-1.2250のダブルノータッチオプションを乗り越えようとする動きであろう。今夜発表される米経済指標結果との因果性はあまりなく、1.2280を目指す展開となるか。

米国の市場金利が上昇

米国の市場金利が上昇を続けている。米FRBグリーンスパン議長以下が淡々と利上げをしてきたにも拘らず、長期金利の目安となる10年債券は利上げ当初より低い利回りで取引されてきた。最近の同金利の上昇は議長の“謎”を完全に払拭するまでもないが、素直な反応となってきたと思う。しかし、4.3%程度の金利水準ではいまだに低すぎる。一時の逆イールドカーブの怖れやスタグフレーションに突入かと個人的には考えたこともあったが、いまでは感応度が高い米2年債と10年債の金利格差は拡がりつつあり、健全化している。近いうちに10年債は4.5%に迫る可能性は高いと思われる。

ドル・円は個人投資家による投信の購入や外貨預金への選好度の高さを考慮するとまだまだ上昇する可能性は高いか。同時に個人投資家による外貨選好は幾何級数的に増すと想像している。ドル・円を下支えするであろう。また、米市場金利4.25%前後は本邦機関投資家にも米債購入に利があると見ている。

Nikkei225

28000-28550 up in the early session, down lately.