数理ファイナンス

数理ファイナンスという分野がある。日本人が外国人に後塵をはいしているといわれている分野であり、本邦金融機関が外資系金融機関に競争力で劣っている理由の1つに挙げられている。大切な資本を授かる金融機関がそうであってはいけない。また、金利のオプション、金利の期間構造モデルなどは現代金融の華であり、これからも伸びていく分野である。

ご承知の通り、日本人の数学力は高い。例を挙げると、数学分野の最高峰フィールズ賞では過去4人の数学者がその名誉を授かっている。高木、岡という大数学者も明治、大正、昭和に活躍した。一時話題となったフェルマーの最終定理という数学の謎も志村・谷村予想を肯定する形で証明できたそうだ。ご承知な方も多いと思われるが、金融工学の基礎的なモデルではこれまた大数学者の伊藤が発見した確率微分方程式が応用されている。

物理だって負けてはしない。湯川、朝永は理論物理の最高峰に立っている。近い将来、小林・益川理論がノーベル賞の候補だそう。

閑話休題。私自身は文系出身で、数学、物理などからほど遠い存在である。
然るに金融が工学化するならば、文科系とかに関係なく流れについていかなければならない。

9月11日選挙後

a)郵政民営化法案可決の場合
円高、急激な債券安、急激な株高
b)小泉政権消滅の場合
穏やかな円安、穏やかな債券安、穏やかな株高、高止まり

所謂レポートと言うものの感想

一見すると実直に見える為替レポートがあちらこちらに出回っているが、やはり実務(インターバンク)の経験の有無が見え隠れし、実務家からするとどうしても付言したくなる。

WTIが60ドルを越えると外準がらみのオイルマネーは米ドルからユーロにシフトすると言う傾向があり、実際に今般もその傾向が明らかとなった。ここまではいいが、オイルマネーが大量のユーロ買い・ドル売りをする際、当然誰かがプライスを提示している。
インターバンクの一員である大手銀行や投資銀行は普段(不断)の取引先である中東系の顧客に金融サービスの一環として、外貨の情報提供、実際の取引を仲介している。優良な金融機関であれば顧客と絶えず情報交換し、顧客の動向を把握するよう努めなければならない。

為替の実際の取引では、例えば、顧客がユーロ・ドル500本の建値を提示要求してきた場合、ディラーは1.2230-40のようにプライスを提示する。顧客が買ってきた場合は、当該ディラーは当然瞬間的にユーロ売り持ちとなるから、金額の大きさ、顧客の市場に対する影響力を考慮し、売り持ちを解消しつつ買い持ちに転換するため、最低でも501本以上のユーロ買いをat bestで行うだろう。その後は瞬間的なユーロ買いの連鎖が次々と起こり、あっと言う間にユーロ・ドルは1.23を越えて上昇してしまう。最初にプライスを提示したディラーは影響力の高いオイルマネーがドルを売っている事実を取引しリスクをとることで情報優位に立てる。ついでに他の通貨にもドル売りを持ち込んで、最初に仕掛ける優位さを保つ抜け目なさも忘れない。

すべてがこう言った調子で進むわけではないが、為替レポートはなにも経済指標に反応して上がった下がった言う説明に終始する必要はないし、それではいかにも外部で反応していると言う感想しかもてない。実際に起こっていることを把握することが重要だ。

ユーロ・ドルが主役

昨日は中東やアジア系によるユーロ・ドル一本釣りによって、ユーロ・ドルは1.2260を上抜けして1.2350手前まで上昇したものの、オプション防戦が予想通り効き、上昇を妨げた。

ユーロの動きに端を発した米ドル売りは他通貨にも波及し米ドル全面安の展開。ドル・円も111.00を一時付けた模様であるが、輸入の買いに出合って反発。郵政民営化法案の採決を巡って、円のボラティリィティーが上昇している中、日本経済の見通しも外国人が先行して強気に転じており、元高も円買いを後押し。頗るよい(そう見える)米経済指標を嘲笑うように米ドルが売られたと総括しておく。

本日もやはりユーロ・ドルが主役か。1.2350を抜けるようだと1.25が見えてくるが、短期的な調整から1.2260-70まで降りてくるか。

ドル・円は参院選の投票行動を推測しながらも、ユーロに主役を譲ったかたちで1.235を試す展開が再度あれば、111円割れ、110.50円トライも想定できるが資本の買いが下値を支えそうだ。そうなるとユーロ・円の買いに利があるかもしれない。今夜英中銀により政策金利が発表されるが、0.25%の利下げは織り込み済みか。据え置いた場合は欧州通貨にショックを与えるか。ユーロは1.2424。

外国人が日経買い、国債売り

昨日は17通貨中、円が一番買われた。
外国人が日経買い、国債売りを持ち込んだことが挙げられる。米株価の上昇に一応の目処が立ったことで、出遅れ感の強い日本株の投資比率を上げたことなどが円高の要因か。日本の政治状況よく研究していない外国人投資家も多く、政治的リスクを忌避する傾向を強い彼らにも、郵政民営化法案は無事に参議院を通過するとの推測から円を買いやすい状況ではあるようだ。
円のボラティリィティは上昇しているのは、不透明感が強まっているの点が挙げられるが、よく事情を飲み込んでいない彼らのような参加者が増えることを要因となっている。

イースタンネーム

中東が買っているといないとかで、ユーロ・ドル1.23台へ、ユーロ・円も予想とおり137円台へ上昇中。ユーロ・ドルの1.2260、1.2300のオプションバリアがエクスパイヤーと言うことでストップロス合戦の模様。次は1.2350か。しかし、雇用統計前によくやるもんだ。夏は暑いが市場もボラティリィティが高く薄いマーケット。

米30年債,復活



ロシア中央銀行

為替とは面白いもので、先ほどロイター通信社がロシア中央銀行は外貨準備に対するユーロ比率を30%から35%へ切り上げるなどの報道をしたものだから、とてもいい米ISMの結果を無視するようにドルが売られたが、(言い方を変えると1.2250越えを狙った動き)既に1.2000ドル前後で大量のユーロ買いを手当てをしていたと過去形であった事を思い出し、一転ドルは買われたりと忙しい。

滞留しているマネー

日本国の滞留しているマネーが動き始めた。円が買われている。
福井日本銀行総裁は個人消費者物価指数が今年度末にも水面下から浮上する可能性を指摘した。足元では金余り状態が続き、日本国債に向かっていた資本がそろそろ本格的に市中に流れ出すか次のテーマだ。

経済指標が多すぎ

昨週の金曜日ニューヨーク午後からドル売りが進行している。
主たる理由はIMFが書いた昨今の米ドルは実力以上に評価されているとのレポートが出回ったため。

米ドルの真の実力はどのレベルにあるかは置いておくとしても、米GDPの結果を巡る日経新聞の指摘通り、米経済の内需主導による力強さはこれからと言っていいと思う。米製造業の在庫調整にも目処が付きつつあり、春先に見られた米経済の一時的後退によるFRBの利上げ停止の怖れは払拭されつつある。
本日発表される米ISM製造業景況指数の結果に一喜一憂される可能性があるが、ご承知の通り、外国為替の世界では経済指標が多すぎ、しかも24時間取引されている。

私なんぞは生身の人間なので、すべてを網羅しようにも体がもたない。直近のドル下落現象は持ち高調整の範疇にすぎないと思われるが、それじゃー説明として物足りない。
ユーロ・ドルに関して言えば、1.1950-1.2250のダブルノータッチオプションを乗り越えようとする動きであろう。今夜発表される米経済指標結果との因果性はあまりなく、1.2280を目指す展開となるか。

米国の市場金利が上昇

米国の市場金利が上昇を続けている。米FRBグリーンスパン議長以下が淡々と利上げをしてきたにも拘らず、長期金利の目安となる10年債券は利上げ当初より低い利回りで取引されてきた。最近の同金利の上昇は議長の“謎”を完全に払拭するまでもないが、素直な反応となってきたと思う。しかし、4.3%程度の金利水準ではいまだに低すぎる。一時の逆イールドカーブの怖れやスタグフレーションに突入かと個人的には考えたこともあったが、いまでは感応度が高い米2年債と10年債の金利格差は拡がりつつあり、健全化している。近いうちに10年債は4.5%に迫る可能性は高いと思われる。

ドル・円は個人投資家による投信の購入や外貨預金への選好度の高さを考慮するとまだまだ上昇する可能性は高いか。同時に個人投資家による外貨選好は幾何級数的に増すと想像している。ドル・円を下支えするであろう。また、米市場金利4.25%前後は本邦機関投資家にも米債購入に利があると見ている。

Nikkei225

28000-28550 up in the early session, down lately.