昨今のドル高要因を再考する(2)

日本時間の明朝未明に公表される前回FOMCの議事録に関しては、それほどど市場に影響を与えるものではないと考えている。
米FRBがインフレ圧力についてどの程度まで認識しているかを探る意味では、大切な指標になりえるが、米国市場は、インフレなき経済成長を織り込んでおり、米株は上昇、米金利は下落している。
付言するとやはり、原油市場の動向がより重要と思う。原油価格(WTI)が50ドルを超えるレベルで取引されると上述のインフレなきの文言に疑問符が付いてくる。先だって、台頭していたスタグフレーション(金利上昇と景気後退)の恐れが再度、懸念される可能性が高いと思っている。

グリーンスパン議長は指摘しているが、米住宅市場はバブルの様相を呈していることは否めない。南部を中心に住宅ブームは続いているし、米家計部門の不動産担保による借り入れ率は高率、またファニーメイ、フレディーマックなどの住宅金融はグリーンスパン議長が警告するほど、そのバランスシートが痛んでいる。

かたや、燻る原油高、住宅バブル懸念に対応しながらも、実体経済はディスインフレへ突入か。2005年度の米GDPは3.5%程度と考える。

したがって、景気後退懸念と原油高による悪性インフレを考えれば、米政策金利は4%程度、あと4回の利上げで打ち止めと思われる。


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