中国元が開放される過程で中国人と日本人の摩擦が増えていくであろう。(交流の増大化)歴史問題はさて置いて、人間同士の交流が増えるとそこに摩擦と言っていいエネルギーが生じ、そこからまた新たなエネルギーが生成されるであろう。(交流の拡散化)人間関係としての日中関係が深化するほど、両国の政治、経済、社会が構造的に変化する可能性は高いであろう。特に日本側に与える影響は多大であると思われる。単純に経済に与える影響と限定しないが、日本の大都市圏の地価は上がり、日本の最優良と言われる製造業が中国資本の傘下に下ると言う記事も紙面に踊るであろう。日本経済は活性化され、元高、円高となるか。東京都のアルバイト募集の張り紙で垣間見る時給は上昇している。アルバイトを活用した産業は明らかに憂き目に陥るであろう。しかし、中国人労働力が補うであろう。少子化という問題は中国からの移民、留学生の増大が顕著化する段階でうやむやになるとも思われる。中国社会の輸入によって、日本人コミニティーとの間に摩擦が起こり、新たな両国人の関係を模索する時代が到来する。当然、その過程で負の摩擦、例えば犯罪の増加や中国人をはいそする動きも出よう(軋轢の増大化)。
このようにエントロピーの増大を予想すると、日中両政府は互いにあるいは単独でそれをコントロールする難しい局面に立たされるだろう。聖(秩序)と俗(無秩序)の間を右往左往されないことを個人的に政府には求めたい。8月15日が今年も近づいてきた。毎年ながら前世紀の日中関係を再再度、考える季節が巡ってきた。経済は政治の上に位置はしない。中国元の日本”経済”に与える影響等は統計的事実あるいは貿易、産業構造論などに基づいた書物を手にすべきであろう。